これで最後に、人生3度目の退職
T社への入社決意が固まりました。妻は賛成してくれませんでしたが、もう私を止められないことがわかったのか、そこまで決意があるのなら頑張ってみたらと言いました。
そしてJ社へ退職の意思を伝えました。引き留めもなく退職は速やかに受理されました。今回は将来を見据えて資格取得を目指すことも伝えていたため、嫌になって辞めるなどの投げ出し退職ではないことを多少は汲んでくれていたようです。
電話営業の成果は8社に対し新規口座が開設できたこと、その中でも大手物流会社との取引は、この3月から製品納入がスタートしたところでした。3月の新規ノルマは90万円に対して84万円と達成率は94%ともう少しで予算達成だったのです。
このことは評価され「せっかく順調に売上作ったのに、これからというときにもったいないねえ」また、反対に「1、2年で辞められることが会社にとって一番迷惑なんだけどねえ」などの意見もありました。
そして、一番申し訳なかったのが役員のKさんでした。私の経験を評価していただき、「この会社にぜひ定年まで勤めてください」と言われたことを思い返すと、心が痛みました。最後に「彼ら(他の社員)とは同じ釜の飯を食った仲間達だから、辞めても気にせず誘い合って飲みに行けばいいよ」とも言ってくれました。
振り返れば、J社の入社試験がボロボロだったにもかかわらず、7、8人受験した中で私が選ばれたのは、Kさんが父親でもあった社長へ私を採るよう強く進言をしたからでした。
人材としての評価を最優先したことで、この時試験を担当した経理のMさんは、後日談で「社長にはマッサンさんの試験の点数(合格ラインに達していなかった)は見せられなかったんだよ。Kさんのマッサン推しがすごかったからね(笑)」
結果、Kさんは私の資質を見誤ったということになってしまったのに、あのような言葉をかけられるとは、ホントにKさんにはいまだ、合わす顔がありません。
そして、いよいよJ社の退職当日を迎えました。