退職理由に会社批判はご法度!
I社との面接の日がやってきました。
ヘタな発言に気を付け、心象を悪くしなければ採用されることは間違いない、というスタンスでいた私でしたが、実際は緊張でガチガチだったことを覚えています。しどろもどろであるが、言葉を選びながら面接を受けていました。
そして最後の質問がきました。
「なぜマッサンさんは20年以上も勤めてきた会社を辞めることになったのか、退職に至った理由を教えてください」
不満や後ろ向きな退職理由はご法度である事はわかっていたので、子育てや、妻の実家が九州、私の母のことでの転職決意であったことを力説しました。
それを聞き、面接担当と同席していた営業本部長より
「それだけの理由でこれまで築き上げたキャリアを捨てれますか?理由として腑に落ちないので、本当のところを正直に言ってほしい」と言われました。
「正直な理由は営業本部長が原因です」なんて言ったらアウトだと思ったので、会社の将来性を挙げ、大会社の連結子会社となったことで自由な社風がなくなったこと、外に向けて情報を発信すべきところを、内向きな会社の会議や、資料作成時間が多くなったこと、それにより本来メーカーは製品開発などに力を入れなければならないのに、今の経営体制ではライバルメーカーに競争負けしてしまう、将来性を不安視するようになったことが理由です、と話しました。
その言葉を聞いた面接担当は
「そうですか・・・それは会社の批判ですね・・・」
そして、「マッサンさんも、これから当社以外にも転職活動はされるでしょうから、そのまま継続してください。当社からの合否は1週間以内に早めに返事します。」と続けました。
その瞬間、落ちた・・・と悟りました。
言葉通り1週間後、不採用の連絡がありました。仲介してくれたW氏には申し訳ない気持ちになりました。
妻の忠告を真摯に受け止めず、面接対策をおろそかにしていたことが、この結果を招いたのは当然のことでした。